[2回]

～前回のあらすじ～

夏のある暑い日、突如倒れたパソ子。
長い入院生活を経て戻ってきた彼女は、すっかり変貌してしまっていた―。
すれ違う想い、かみ合わない記憶…。
どうすればかつての彼女を取り戻せるのか？
主人の孤独な戦いが今幕を開けようとしていた…！


と、いうわけでまさかの続き物。
パソ子さん奮闘記後篇です。

さて、8月5日、ようやく我が家に戻ってきたパソ子さん。
修理は幸い電源ユニットの交換だけだったので、
つなげばすぐに元通りつかえるはず。
さっそく接続、スイッチオン！
心なしか軽快になった起動音とともに、パソ子さんは無事走り出しました。

この間悩まされていた症状は
使用中に突然何の前触れもなく電源が落ちるというもの。
何はともあれしばらく使って様子を見ないことには
直ったのか直っていないのかも判断が付きません。

とりあえずブラウザを開いたところ、
見覚えのない画面が出てきました。
「BUFFALO　AirStation」の設定認証画面。

大変奇怪なことですが、
我が家ではBUFFALOのルーターは使用していない。
それだけなら、慣れた方なら
「どうせ近所の電波を拾ってるんだろう」
とお考えかと思います。
しかし我が家は人里離れた一軒家。
隣近所はキロ単位で離れている。
まさか谷を越えて飛んでくる根性のある電波もなかろうと思いますし、
この可能性もまず考えられない。
それどころか、このパソ子さんには無線を受信する機構すら内蔵されていないのです。

事態は悲劇からにわかにホラーの様相を呈してきました。

まあそのうちつながるでしょうと待っては見たものの、
一向に繋がる気配はない。
色々調べて試みても回復の兆しはありません。
大体覚えのないところにつながるという事態が怖い。

この時点である懸念が胸中をよぎりました。
即ち、電源の異常を含むこの現象はウィルスによるものではないか？ということです。

物理的なものと違って
こういうものはいくら手を尽くしても
万全だったと胸を張って言うのは難しい。
特にウィルス関連の懸念は常に抱きつつ付き合っているとっても過言ではない。

この疑心暗鬼と焦りが
PCリフレッシュという禁断の切り札に手をかけるきっかけとなりました。
もう少し早くPCが手元に返ってきていたら
システム復元という手もあったのですが、
症状発生前の復元ポイントは既に消えた後。
こうしてリフレッシュという後戻りのできない一歩は踏み出されました。

しかし今考えれば、これが更なる悲劇の幕開けだったのです。

さて、すっきりくっきりなにもなくなったパソ子さん。
試みにネットに接続してみると
…おお！つながった！！

ではまずWindousのアップデートだ。
よみがえるのは以前再セットアップをしたときの苦い記憶。
ソフトのインストールを全て済ませてからアップデートをしたら
トロイの木馬に侵入されてしまって、
結局もう一度再セットアップをし直す羽目になったことがあるのです。

流石に時間がたっているので
更新ファイルの量も半端ではない。
しかしこいつをやっつけてしまわないことにはどうにもならない。
この間、パソ子さんが退院してから実に二日の時間が経過していました。

しかし、一度に更新をしすぎたのでしょうか。
再起動中にプログラムの再構成が失敗してしまったのです。
その後、「更新をして再起動」を実行し、
再び構成に失敗したのを最後に
ネットがうんともすんとも言わなくなってしまいました。

さて、ここで問題が浮上します。
愛用している重要なソフトを使うのにどうしてもweb認証が必要なのです。
しかしネット自体がつながらない。
これではネットどころか何もできない。

この時点で浅はかにもリフレッシュをしたことを悔いました。
余計なことをしなければネットにはつながらなくとも
少なくとも作業はできたでしょうから。

これがパソ子さん退院3日目の話。

ここからぷちさんによる孤高の反撃が始まりました。
まず、PC自体に問題がないか、サポートに問い合わせ。
ここでPC本体と設定に問題がないことは立証されました。
次に使用環境に問題がないか。
これもノートにLANをつないでみたところ正常に機能。

そうこうしているうちに頼りにしていた父のパソコンの接続も悪くなってきてしまい、
丸2日間ネットが接続できなくなるという事態が発生しました。
ここまで来ると屋内施設からプロバイダまで疑う必要性が出てきてしまいました。

プロバイダの管理センターにも連絡してみたのですが
点検に来られるのが12日になるということで、
その間出来るだけのことをやってみようと考えました。
とにかく接続している各所で通信を確認。
ONUやモデムのリセット作業もしました。
その結果、一か所確実に繋がるLANを発見。

この時点で
デスクトップパソコンを担ぎ出してそこでつないでみる、
というちょっと大がかりな事態に。

この時点で既にこの現状にかなり頭に来ていたので
もう思い切って再度リフレッシュをかけてみることに。
それまでの右往左往ぶりを見ていた家族からは
「余計なことばかりして傷を広げているのでは？」
と厳しい指摘を受けていたのですが
放っておいたからと言って解決するということはまずない。
何より一度リフレッシュしたときに確かに通信が繋がったのだから
そこに突破口があるはずだ。

こうした考えのもとにリフレッシュを断行。
結論から言えばこのリフレッシュは正解でした。
再び再起動時に再構成を失敗したのは前回同様。
しかしこの時点ですでに夜中の２時を回ってくたびれ果てていたため、
もうワンラウンド失敗する可能性が高いうえに
事態を悪化させる恐れのある「更新して再起動」につき合う余力がなかったのです。

ここで一度シャットアウトしたこと。
これがまずよかったのだと思います。

翌日改めてネットの接続状況を確認。
すると無事繋がっている状態でした。
しかしここで慌てて再起動して更新をすればまたも元の木阿弥になりそうな予感。
そこで無事更新されたプログラムと再起動の必要なプログラムをチェック。
そうこうしているうちに自動的にメンテナンスが始まり、
それが終わるのを待っているうちに更新されたプログラムが増えていくのに気付きました。
もしかしたらこれはいけるかもしれない。

メンテナンスが終了するのを待って、
一か八かの可能性にかけ、再起動をしました。

すると、なんということでしょう！

更新プログラムが無事再構成されたではありませんか！

試みにネットにつないでみると無事繋がっています。
こうしてようやく長い時間の奮闘を経て
パソ子さんは無事復帰を果たしたのでありました。

目出度しめでたし！

今回の教訓は慌てないこと。
より軽度の操作から順に試していくこと。
物理的な接続の要所をチェックするべきこと、でした。

今度はもうちょっと慎重に。
でももう二度とこんな目には遭いたくないね！
そんなわけで拍手へのお返事です。
　

めっ　さま

メーカーさんも猛暑と盆前で忙しいでしょうし
いろいろあるのだろうなぁ、とは思うのですが、
やはりちょっと長かったな、と思いました。
個人的には放置より蕎麦屋の出前が堪えました。
そしておそらく今回の苦労の大半は自業自得というものだと痛感しております…。

コメントありがとうございました！